OneStep日記

完璧じゃなくていい。自分の「足腰」と「機嫌」を守るための防災事始め

赤音 来空(Akane Luck)

日常と非常時を繋ぐ『ちょい足し防災』

毎月開催のオンラインイベント「OneStep MeetUp」。
2026年02月は、誰もが心のどこかで「いつかやらなきゃ」と感じつつ、
日々の忙しさに後回しにしてしまいがちな「防災」がテーマでした。

今回は、特別な訓練や高価なセットを揃えることをする前に、
今の生活の延長線上で何ができるかを探る「日常に溶け込む防災」という視点から考えるものでした。

イベントの冒頭は、メンバーの「今の備えのリアル」を共有するところからスタートしました。
「非常食は用意しているけどそろそろ期限が切れる」とか、
「モバイルバッテリー、いつも充電を忘れがち」といった、そういえば、を思い出していきます。
私も停電になると電子決済が止まるかもしれないから現金紙幣は用意しないと、
と思っていて忘れていたことに気付きました。

私たちが確認したのは「完璧な、100点を目指さなくていい」というものでした。
いきなりすべてを揃えようとすると難しく考えるよりも、
いつもの食材を一つ多めに買う「ローリングストック」や、
日常使いのバッテリーを常に満タンにしておくといった、
心理的ハードルの低い「ちょい足し防災」から始めたら結構できるんじゃないか、ということですね。

中盤セクションでは、実際に「防災リュック」の中身を見直した際の実践的なプロセスを深掘りしました。
市販のセットをそのまま信じるのではなく、自分たちの手でパッキングし、実際に背負ってみる。
そこで直面した「2人分を詰め込んだら重すぎて歩けそうにない」という経験談は、
あーそういうのやってみないと気付かないよね、っと思ったところです。

登山での荷物目安は体重の1/4〜1/3で、これは日々の活動量が多い人のケースだそうです。
これを目安に、自宅のストックを前提として中身を厳選し、最終的に約7kgまで
軽量化したという体験の共有がされ、知識から実際に無理のない自分事として
防災を考えるプロセスってこういうことなんだな、というのが感じられました。

同じように自分事の防災の例として、中身を選ぶ基準として「食べてみて美味しくないものは外す」
「自分の好きな味を選ぶ」は意外と大事では、というのもありました。
「備え梅」やロングライフのお菓子など、具体的なおすすめグッズを紹介しながら、
非常時だからこそ「自分の機嫌を損なわない」ための選択が、
結果として冷静な判断力を維持する最大の備えになるだろう、というのが今回の学びでした。

生理欲求、安全欲求、親和欲求:防災の優先順位

今回のイベントを通じて考えさせられたのは、マズローの欲求階層説を「防災」という文脈で
捉え直した際のリソース(お金と時間)の投資優先順位でした。
被災時には「その瞬間生き残れるか」「3日間を乗り越えられるか」
「その後の生活を穏やかに過ごせるか」という順に、満たすべき欲求の重要度が劇的に変化します。

平時、私たちは「誰かに認められたい」という承認欲求や「居場所がほしい」という
親和欲求に多くのコストを投じています。仕事のための自己投資や人付き合い、
ストレス解消の「ご褒美」など、社会生活維持のための出費は少なくありません。
しかし災害という極限状態では、これら「外向きの投資」は
真っ先に機能しなくなる脆い側面を持っています。

いざ災害が起きると、優先順位は残酷なほどシンプルに逆転します。
命の危険を減らすこと(生理欲求)、怪我や不安を減らすこと(安全欲求)、
そして避難生活の不快さを抑えること(親和欲求)。
この土台が整って初めて、誰かの役に立つという承認欲求の活動が可能になります。

ここで大事なのは、自分の「生理的満足」に正直になることだと思います。
安全や親和の欲求をお金だけで満たそうとすれば莫大な費用がかかりますが、
土台となる生理欲求は「知っているだけ」で楽になるものが多くあります。
例えば、お風呂場で被災した際に洗面器で頭を守り、出口を確保するといった
知識一つで、命を守るコストは最小化できます。

生理欲求を満たす「足腰」があると、安全欲求のコストも下がります。
日頃から運動やアウトドアを嗜む人は、既に手元にある装備が
そのまま防災に転用できるため、ゼロから準備する負担が減ります。
そして、安全の足腰が整えば、親和欲求のコストも下がっていきます。

自前で三日間をしのげる美味しい備蓄があれば、「誰かに助けてもらわなければ」という
切羽詰まった不安から解放されます。この「自分は大丈夫」という精神的な余裕が、
無理に他者に媚びたり顔色を伺ったりせずとも、
隣の人に「余っているキャンディーをどうぞ」と言えるような、
自然で能動的なつながりを生んでいきます。

自分自身への深い信頼を積み上げるための防災

防災というテーマのオンラインイベントで、
日々無意識のうちに「誰かに認められるため」に使っている
時間やお金について、非日常を通して日常を振り返ってみました。

SNSでの振る舞いや、周囲の期待に応えるための自己投資、あるいは孤独を埋めるための人付き合い。
それらは決して無駄では無いと思いますが、災害のリスクが常にある日本においては、
一夜にして大事なものの価値が逆転してしまうことがあるな、と感じました。

そして、日常でも非日常でも通用するようなアプローチを考えた時に、
マズローの欲求階層説を下から順番に満たす、という方法が、
ひょっとしたら生きるコストを下げて、人生の土台を安定させるのかもしれない、
ということを考えてきました。
誰かに依存しなくてもいい、自分一人でも一晩を凌げるという自立した安心感があるからこそ、
誰かに親切にできる余裕が生まれるのかもしれない。

防災とは「最悪の事態に怯えること」ではなく、どんな状況下でも自分を見捨てないという、
自分自身への深い信頼を積み上げる作業なのかもしれません。
完璧な防災セットを買い揃えるのではなく、まずは身体が直感的に喜ぶ備えを考える。

例えば、好みの味のスープを一缶余分に買って在庫を回してみたり、
足に馴染んだ靴をすぐ使える場所に場所に置くこと。
それが自分だけの生存戦略になっていくのかもしれない。


オンラインコミュニティ「OneStep」は、こうした日常の小さな違和感や、
つい後回しにしてしまいがちな「自分への誠実さ」を、
仲間と一緒に面白がりながらアップデートしていく場所だと考えています。

正解はその人の数だけあります。
それぞれが自分自身の足腰を鍛えて、できた余裕で誰かに喜ばれることをついやってしまうような、
そういう場所でありたいと思っています。

心地よい距離感のつながりを自分の力で作っていく。
あなたにとっての「これだけは譲れない心地よさ」や、日常の中に隠れた「小さな安心」を、
私たちと一緒に探してみてもいいのかもしれません。

次回のOneStepMeetUpで、あなたの新しい視点、
そしてあなたらしい「足腰」の形に出会えたとしたら、
それは私にとっても、とても嬉しいことです。

ABOUT ME
赤音 来空(Akane Luck)
赤音 来空(Akane Luck)
自分の人生の主人公は自分です。をテーマにAIに助けてもらいながら小説を書いています。 人材育成をベーススキルに活動するマネージャー/インフラ系システムエンジニア。 一歩踏み出すことを応援するオンラインコミュニティ『OneStep』の運営メンバー。 (OneStepMediaのトップページから入会申し込みができます)
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