OneStep日記

遠回りするほど近づいている

しま

はじめまして。しまと申します。
普段はITインフラ系の技術者をしています。
日頃私が「これ大事だなあ」と思っていることがあるので共有したいと思います。

いつでもまずは結論から

言いたいことは1つです。
休みましょう!!
以上です。

ラボ畜100時間

これだけだったら当たり前のことしか言ってないので、肉付けしていきます。

これは私の失敗談です。

ある仕事で江東区に出張したことがあります。
目的は顧客ネットワークのリプレースです。現在稼働しているネットワーク機器が保守期限を迎えるので、新しい機器を買って入れ替えるというものでした。

私はそのテストフェーズを担当しました。
つまりは新しい構成で今までと同じように通信できるか検証、試験、移行手順の確立です。
機器総数は約20台。まずは現行の環境を再現するところからスタートでした。
しかも入れ替える本番機器以外は検証用の予備機を使ったため、現行機器とのバージョンの違いなども考慮する必要がありました。

テストフェーズのために用意された時間は5日。
5日間で約20台を設定し、検証から移行手順の確立まですべて終わらせることがミッションでした。

現行の再現は顧客のオフィス内で行いました。
通称『ラボ』と呼ばれている10畳くらいの部屋をお借りし、黙々と電源を入れては設定してLANケーブルをつなぎました。
ラボの中は機密情報の塊です。電話もメールもできませんし、パソコンも普段の社用端末ではなく予め制限が適用されたものを使用します。

少しでも効率よく進めようと思った私は、ラボの出入りをゼロにしようと考えました。ただでさえ5日間しかなかったため、なるべく無駄な時間を削ぎ落とそうとしたのです。

事前準備に2日かけました。どの機器から始めるか優先度をつけ、設定メモも約20台分すべて作成しました。試験項目もすべて漏れなくダブりなく洗い出し、参考資料を集められるだけ集めました。そして一度ラボに入室したからには終わるまで出ないぞという心意気で臨みました。

結果は冒頭申し上げたとおりです。この心意気は失敗でした。
なにせメーカーまで異なる新規機器なので現行機器と同じ機能を使用していても微妙に異なり、『通信できると思ったけどできなかった』という事態が相次ぎました。
しかも名前だけなら広く知られている機能だったため中途半端に知識があり、『思いついた解決法を思いついた順に試しては解決できず頭を抱える』という悪循環に陥りました。

結局期限には間に合わず、上長に報告して助っ人に入ってもらい、2日超過して終わらせました。
作業日が3日しか残っておらず、今振り返ると焦っていたと思います。
頭に血が上っていて冷静さを欠いていました。

往復100回

この経験から私はある教訓を得ました。

それは『休めば休むほど作業時間は短くなる』というものです。
正確には無駄な時間が短くなるというべきかもしれません。
部屋の出入りや移動時間、もしくは自席で一息ついている時間が、自身の視野を広く保つことに一役買う、ってことです。

休みましょう。頭を冷やしましょう。動き続けるだけではなく、意識して立ち止まってみましょう。
なにより立ち止まる勇気を持ちましょう。
立ち止まることはすごく不安です。でもそのまま頑張っていても進まないのはもっと悲劇です。

立ち止まる時間は決して無駄ではありません。むしろ進捗を俯瞰し、方針の正しさを客観的に評価するベストなタイミングです。
かつての私のように(てか今もたまにこうなるけど汗)肩肘張って取り組まず、もっとらく~にお茶でも飲みに戻りながら取り組むほうが、より良い成果が出るのではないでしょうか。

ということで提案したいのが、『往復100回』という合言葉。
どこを往復するかといえば、『作業』と『休憩』の往復です。
作業を1個片付けたら、そのままいけると思っても休憩しませんか?
眉間にしわが寄ったらレッドカードです。退場ではありません。休憩です。だってまた戻るんですから。
往復すればするほど、冷静さは持続してリカバリもスムーズになり、そのまま粘っているよりもクオリティの高いアウトプットが出せます。

合言葉は『往復100回』。
寄り道すればするほど、振り返ってみれば最短距離を歩いていたことに気づくでしょう。

OneStep

ところでふと我に返りますが、この話って技術職だけにあてはまる話じゃないんですよね。

学校、仕事、家庭、人生、すべてに当てはまると思いませんか?
眼の前のことに一生懸命取り組んでいる方にほっと一息つける場所を。
木を見て森を見れずいっぱいいっぱいになっている方に森を眺め楽しむ余裕を。
井の中の蛙が大海を知れる。井戸の外へ出る勇気をもらえる。
OneStepはそんな場所だと思います。

具体的にどんな場所なのかは、他メンバーの記事をご覧いただければと思います。

きしめんさんの記事とかチャイフさんの記事とかわかりやすいです。

こぼれ話

実は書きたかったテーマはもう1つありました。

それは設計してから構築、試験するか。それとも設計しながら構築、試験するか、という話。
技術者ならば誰しも悩むこのテーマ。特に見積もりのときには頭が痛くなるほど悩みます。
現実は前者を目指していてもプロジェクトが進むにつれて後者になってしまうことが9割ですよね。
ならばスタートから設計と構築、試験を同時並行すればいいのではと思ったりする昨今です。

長くなりすぎるので、こちらは別の機会に書きたいと思います。

ABOUT ME
しま
しま
インフラ寄りのSES技術者に従事してはや5年目。 エンジニアと名乗れるくらいにエンジニアリングしたい今日この頃。 最近はジムで走るのが気分転換。
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